ついに800馬力! 新型ランボルギーニ・ウルス登場 パワーアップだけに留まらない魅力とは?

4月の北京モーターショーでPHEVのウルスSEを発表したランボルギーニ。イタリアの拠点、サンタガータ・ボロネーゼで行なわれた特別なプレビューにモータージャーナリストの大谷達也が参加した。

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2024年末までに全モデルをPHEVに

2021年、ランボルギーニは段階的に電動化を進める中期計画“ディレッツィオーネ・コル・タウリ”(“一番明るい牡牛座の星に向かって”の意)を発表。そのなかで2024年末までに全モデルをPHEVにすると宣言した。この計画に従い、2023年には初のPHEVであるレヴエルトをリリース。これに続く第2弾が今回発表されたウルスSEで、年末までにはPHEV化されたウラカンの後継モデルが公開される予定だ。

ウルスSEのエンジンは、デビュー当初から搭載されてきた4.0リッターV8ツイン・ターボの改良版で、最高出力は620psで最大トルクは800Nm。ここに192psと483Nmを生み出す電気モーターを組み合わせることで、システム全体での最高出力と最大トルクは800psと950Nmという、途方もないスペックを実現した点が、まずはそのハイライトといえる。

ドリフトも楽しめる

もっとも、単なるパワーアップだけに留まらなかった点がランボルギーニらしいところで、実は今回、4WDシステムが根本的に生まれ変わっている。

アウディと緊密な関係にあるランボルギーニは、ウルスのセンター・ディファレンシャルにアウディと同じトルセンデフを用いてきた。純メカニカルなトルセンは反応が滑らかで違和感が少ないいっぽう、基本的にはパッシブなデバイスゆえ、車体側がその特性を積極的に制御できないところが弱点だった。

そこでウルスSEは電子制御式油圧多板クラッチで前後のトルク配分をコントロール。これと、新たにリアに搭載したE-Diffを統合制御することで、ハンドリング特性を積極的にコントロールできるドライブトレインを構築し、もしもドライバーがドリフトを期待していると判断した場合には、油圧多板クラッチやE-Diffなどを総動員してオーバーステアの姿勢を作り出すことを可能にしたのである。

いっぽう、エクステリアは前後のデザインに手を加えることで、よりクリーンで洗練された造形に生まれ変わったほか、インテリアもダッシュボードの形状を全面的に見直し、大型ディスプレイを採用するなどして操作性を向上させた。

パワーアップしただけでなくドリフトも楽しめるようになったウルスSE。そのステアリングを、1日も早く握ってみたいものである。

文=大谷達也 写真=Automobili Lamborghini S.p.A.

(ENGINE2024年6月号)

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