高級車「ベンツ」を買える年収って? 維持費も含めて試算してみた

高級車といえば「ベンツ」。ベンツはラグジュアリーセダンとして人気が高く、いつか高級車に乗ってみたいという願望をかなえてくれる車のひとつではないでしょうか。

ただ、車は買ったら終わりではありません。家などと一緒で、もちろん維持費がかかります。そこで、ベンツに乗るには、どのくらいの収入が必要なのか、車の価格、維持費をもとに、無理のないカーライフが送れる年収を試算してみたいと思います。

ベンツのクラスとは?

ベンツには、「Aクラス」「Bクラス」「Cクラス」「Eクラス」「Sクラス」などいくつかのクラスがあり、クラスによって価格やボディ、性能などが異なります。

「Aクラス」は価格も手頃で、エントリーモデルとして購入しやすい車です。ただ、ベンツの持つ"高級車"というイメージを抱くことができるのは「Cクラス」以上といわれています。

また、日本で一番売れているクラスが「Cクラス」であることから、ここでは「Cクラス」を取り上げます。

ベンツのCクラスはいくらで買える?

Cクラス・セダン(MP202401)メーカー希望小売価格を次に記載します。

・C 200 アバンギャルド(ISG搭載モデル)…698万円

・C 200 4MATIC アバンギャルド(ISG搭載モデル)…731万円

・C 220 d アバンギャルド(ISG搭載モデル)…713万円

・C 350 e スポーツ…995万円

・メルセデス-AMG C 43 4MATIC(BSG搭載モデル)…1,211万円

・メルセデス-AMG C 63 S E PERFORMANCE…1,660万円

本体価格はおよそ700万円~1,700万円。実際に購入するときは、ここにオプション費用や諸費用がかかってきます。

今回は、「C 200 アバンギャルド」に次のオプションを付けた場合の、トータルの費用をみてみましょう。

「C 200 アバンギャルド」本体価格:698万円

ベーシックパッケージ:42万7,000円

有償カラー(ブラック):10万8,000円

アクセサリー(おすすめパッケージ360):14万3,000円

諸経費(※):30万9,030円

見積合計:796万7,030円

<※諸経費内訳>

自動車税(1年):3万500円

環境性能割 課税額(3%):18万4,400円※初回のみ

自動車重量税(3年):4万9,200円

自賠責保険料(37か月):2万4,190円

リサイクル料金:2万740円

本体価格が約700万円、オプションや諸経費が約100万円、トータルで約800万円になりました。Cクラスにも種類があり、また、オプションの選択は人それぞれなので、金額に幅が出てくると思いますが、「ベンツCクラス」を新車で購入するには約800万円かかるというのは一つの目安となるでしょう。

ベンツの維持費は?

ベンツに限らず、一般的に車を所有・維持することでかかってくる費用は次の通りです。

・自動車税

・自動車重量税

・自賠責・任意保険料

・ガソリン代

・整備・メンテナンス費用

・駐車場代

それぞれを個別に確認して、ベンツの年間の維持費を出してみましょう。

*自動車税

自動車を所有する者が毎年納める税金です。税額は、車種や用途、排気量によって変わります。ベンツCクラスの場合は、3万500円(年額)になります。※諸経費内訳参照

*自動車重量税

自動車重量税は自動車の重量に応じて課税される国税です。1年ごとにかかりますが、新規登録時と車検時にまとめて支払います。ベンツCクラスの場合は2トン以下なので、1年では1万6,400円となります。

*自賠責・任意保険料

自賠責保険料は自家用乗用自動車の場合、保険期間1年で1万1,500円です。実際は車検時に2年分まとめて支払うケースが多く、期間が長くなると低減されるため、年間1万円が目安となります。任意保険料は、保険会社やその人が求める補償内容、等級によって違いがありますが、年間4万円~8万円程度見積もっておくといいでしょう。

*ガソリン代

燃費10km/L、年間1万km走行と仮定して計算します。全国のガソリン平均価格(2024年4月8日時点)のハイオクガソリン価格185.8円/Lをもとに計算すると、年間で18万5,800円となります。

*整備・メンテナンス費用

メルセデス・ベンツの場合、新車購入後3年間は、「メルセデスケア」という保証が無料でついているので、オイル交換や部品交換などの消耗品も含めて、定期メンテナンスや修理が無償で受けられます。そのため3年後の車検から本格的にお金がかかってきますが、有償で保証を延長することもできるそうです。

車検費用は大別すると「法定費用」と「整備点検費用」に分けられます。「法定費用」は「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙代」をあわせたもので、どこに車検を依頼しても同じです。ベンツCクラスの場合は、「法定費用」は5万2,250円になります。

「整備点検費用」は車検を依頼する店ごとに異なり、ディーラーは高めになる傾向があります。一般的に輸入車は、修理のための部品などは現地から取り寄せるため、輸送費が上乗せされます。そのため、国産車よりも整備費用が高くなる傾向があります。年式や状態にもよりますが、車検費用として15万円から20万円程度みておくといいでしょう。

*駐車場代

自宅に駐車場がない場合は、別途契約して近隣の駐車場を借りなければなりません。マンションの場合は、マンション敷地内に備えられている駐車場を借りることになるでしょう。

その場合、管理費に駐車場代を含めて支払うことになります。ベンツなどの高級車は平置き(青空駐車場)やサイズが限定される機械式の立体駐車場は避けると思います。そのため、マンションに住むケースでは、高級車に適した駐車場が用意されているマンションを選ぶ必要がありますが、必然的に価格が高いマンションになるでしょう。高級マンションの駐車場代は、立地にもよりますが、月3万円~5万円程度かかる場合があります。

これらを合計して、ベンツの年間の維持費を出してみると、およそ70万円~100万円ほどになります。

ベンツCクラスに乗るには年収いくら必要?

800万円のベンツCクラスをローンで購入し、年間70万円~100万円の車の維持費を賄える年収を試算してみます。

試算するにあたって、住居費も考えなければなりません。条件として、高級車が停められる大型駐車場が備えられてある賃貸マンションに2人以上の家族で住むと仮定して、賃料を出してみたいと思います。

不動産サイトで、東京都内にある大型駐車場付きのマンション(2LDK以上)を検索してみると、賃料は少なくとも20万円以上であることから、ここでは住居費を25万円でシミュレーションしたいと思います。

<条件>

1. ベンツCクラスを800万円で購入

購入方法は、100万円を頭金として支払い、残りの700万円をローンで購入(60回払い、金利3%)すると、月々の支払いは約12万6,000円になります。

2. 車の維持費年間70万円~100万円

年間84万円とすると、月間7万円維持費がかかります。

3. 1か月の生活費は30万円とします

※総務省「家計調査・家計収支編 二人以上の勤労者世帯」を参考

4. 住居費は25万円(管理費含む)とします

1~4を足すと、月74万6,000円の支出となります。可処分所得から、74万6,000円を支出してもなお、20%貯蓄ができる家計が理想の家計です。

ここから逆算して可処分所得を計算すると、93万2,500円となります。可処分所得を月収(額面)の70%とすると、月収は約133万2,000円となります。年収にすると約1,598万4,000円です。

以上のことから、「ベンツCクラスに乗るには年収1,600万円以上必要」という答えが導き出せました。ちょうど年収の半分が車の価格になったことから、「車の予算は年収の半分まで」と言い換えることもできますね。

もちろん、このシミュレーションは一例であって、ベンツの車種や、新車、中古、住まい、家族構成などによって、求められる年収は変わってきます。車好きであれば、さまざまな工夫によって維持費を下げることも可能でしょう。生活に支障のない範囲でカーライフを楽しみたいものですね。

石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。ブログ「ファイナンシャルプランナーみかりこのお金の勉強をするブログ」も運営中! この著者の記事一覧はこちら

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